2023年10月06日 09:48

三栄建築設計は、2023年度グッドデザイン賞を受賞した。
同社の家づくりは、物件ごとにプロジェクトチームをつくる。全員で現地を確認し、それぞれがその場所を直に感じ、未来の住まい手のライフスタイルをチーム一丸となって、思い描き家づくりを行っている。同社は「同じ家は、つくらない。」のポリシーのもと、社会的芸術性と個人的生活空間のプロデューサーとして、分譲住宅ひいては美しい街並みをつくり続けている。
受賞作品「地域活性の一役を担う65棟の住宅群」は、半径250m以内の範囲に5年の歳月をかけて造られた全65棟の戸建住宅群。この地域は多くのエリアを生産緑地で占めており、住宅は少ない場所だった。行政による最低敷地面積と外壁後退の条例もあり、優良な住宅街が求められ設計を行うにあたり、どのような街並みを想像することが住まい手と地域両方の未来に繋がる幸せな提案ができるか模索し、専門家のアドバイスも受けながら緑豊かな環境を街区に引き込む計画とした。
委員の評価コメントはこちら。「小さな公共性が丁寧にデザインされた65棟の住宅開発である。塀のない敷地境界に植えられた細い植栽帯は年数を経て各住戸を彩りながら住宅街全体を魅力ある環境にしている。切妻屋根の家形の住戸には余白のある玄関や庭の小さなベンチなどに自然と地域と繋がるスペースが用意されている。居住者が自主的に手を入れてより豊かになった緑は、街区全体に発展し緑の連鎖が生まれている。足元のランドスケープがいかに重要であるか気付かされる好例である。」