2025年08月22日 09:04

川崎市は、住友化学と協力し、川崎市浮島処理センターのごみ焼却による排ガスから膜分離法を用いてCO2を分離回収する実証試験を2026年3月から開始する。

川崎市では、カーボンニュートラル実現に向けて、ごみ焼却処理施設から排出される二酸化炭素(CO2)を削減する手法であるCCUS技術の導入にあたり、本市とJFEエンジニアリングは2024年3月に「廃棄物処理におけるCO2分離回収・利活用システムの共同研究の実施に関する協定」を締結し、共同研究を進めている。

CO2分離回収技術として、多く導入されている化学吸収法は、CO2の回収率や純度が高いといった特徴がある一方で、設備が大きくなり費用も高額となることが見込まれている。また、ごみ焼却による排ガスは、CO2濃度が10%程度と低濃度で、材料を劣化させる酸性ガスが含まれていることから、ごみ焼却処理施設に適した技術を見極めていく必要がある。

2050年カーボンニュートラルの実現に向け、「グリーンイノベーション基金事業」のプロジェクトで、膜分離法(低エネルギーでコンパクト化しやすく、費用が安価であることが特徴)によるCO2分離回収の技術開発に採択された住友化学とJFEエンジニアリングが再委託契約を締結し、実証試験を開始する。

ごみ焼却処理施設の排ガスから膜分離法を用いてCO2を回収する試みは、国内初。この実証試験を通じてCO2分離回収における技術的・経済的な課題等を抽出し、今後も官民連携で廃棄物焼却のカーボンニュートラル実現を目指していく。