2025年06月30日 15:34

阪大ふくふくセンターと富士通Japanは、6月から9月までの4カ月間、多文化多言語の子ども一人ひとりに適切な教育を実現するため、小中高生の個別の指導計画の作成支援における生成AI活用に関する共同研究を実施する。

近年、日本においてマイノリティな多文化多言語の子どもは急増している。5歳から19歳までの外国籍の子どもは48 万人を超え、そのうち全国の公立小中高校に通っているのは約13万人。その学習支援においては、個々の能力や文化的・言語的背景を把握し最適な指導を行うことが求められている。

阪大ふくふくセンターは、世界各国の文化や言語に精通し、これまで多文化多言語の子どもたちへの支援に尽力してきた。本共同研究では、その実践知や、文部科学省が2025年4月に公表した新たな評価の枠組みである「ことばの力のものさし」などを生成AIに学習させる。それにより、個別の指導計画のベースを作成するAIモデル(教育支援AI)を開発するとともに、その有用性を検証する。教員の教育観に関わる個別の指導計画策定にAIを活用するのは全国初の取り組み。

今後、両者は、2025年度中をめどに大阪府の協力を得て教育支援AIの有効性検証を実施。多文化多言語の子ども一人ひとりが安心して学べる包摂的な教育環境の整備を加速させ、教育の質の向上と公正性の確保に貢献する。