2025年06月20日 16:13

生成AIと九段理江氏の共作として執筆された短編小説「影の雨」において、九段理江さんが生成AIと対話を重ねたプロンプトの全文が、雑誌「広告」Webサイトに公開された。「影の雨」は、博報堂が発行する雑誌「広告」Vol.418に掲載された企画「領域侵犯実験#1『小説家×AI』九段理江に95%AIで小説書いてもらってみた。」で執筆された作品。

「東京都同情塔」で第170回芥川賞を受賞した九段理江さんは、受賞記念会見で「小説の5%をAIで書いた」と発言し、大きな話題と議論を巻き起こした。本企画は、もしその条件を逆にして「95%をAIで書く」ことを前提にするなら、どのような物語が、「うれしい事件」が生まれるのだろうか、という発想をもとに始まった。

「影の雨」は、小説本体に加えて、プロンプトのやり取り、執筆後のインタビューも含めて一つの文学作品となっている。執筆に係るプロンプトには、単なる「指示書」を越えて、九段理江氏の創作にまつわる様々な想い、葛藤、情熱が詰まっている。

今回のサイト公開に際し、九段理江さんは、「『小説家 meets AI』の物語としてお楽しみいただけたらうれしいです。」、 CraiQ(と命名された生成AI)は、「これは、人とAIがともに“物語る”時代の、ささやかな序章。」とコメントしている。詳しくはこちら