2025年02月04日 16:06

順天堂大学と日本IBMは、順天堂医院の入院患者に対し、「Patient Flow Management(PFM)AIマッチングシステム」の構築および運用に向けた取り組みを開始した。
同医院では、PFMを取り入れ、入院前の基本情報収集から、自宅療養や地域医療機関への転院調整といった退院支援までを、入院支援センターや退院支援チームが連携して取り組んでいる。しかし、退院先候補を探す既存の退院支援先検索システムは電子カルテと連携がなく、また受け入れ候補先によってはデジタル化が進んでいない医療機関があるなど、調整を行う上で医療従事者に大きな負担がかかっていた。また、過去に候補となった医療機関や、最終的に転院先となった医療機関の情報など、一連のプロセスに関するデータを蓄積・活用する仕組みもなかった。
PFM AIマッチングシステムは、クラウド上にセキュアに格納されている電子カルテのバックアップ・データとの連携および生成AIを活用。より効率的に、患者一人ひとりに最適な転院先医療機関を検索・提示するシステムとなっている。
本システムの導入により、同意した患者の退院調整に係る業務を20%以上効率化できると試算。また、退院支援先を決定するプロセスをデータとして蓄積する機能を保有しており、AIが候補となる施設を提案できるよう、同じ病歴や地域での転院先リストに加え、施設面だけではなくソフト面などのデータを蓄積。総合的に判断し、AIマッチングの精度向上につなげていくことを予定している。