2025年01月22日 12:22

アドバンスコンポジットは、高熱伝導絶縁新材料(樹脂セラミック複合材料)を開発、このたび特許を取得しサンプル出荷を開始した。

電子機器は内部で発熱するため、外部に放熱する必要があるが、回路基板の絶縁素材にはセラミックや樹脂が採用されている。セラミック素材は強度と絶縁性、熱伝導性に優れているため、パワーモジュールや車載用LEDヘッドライト、ヘッドアップディスプレイ等の市場で独占的に使用されている。一方、樹脂素材は軽量で製造や調達が比較的容易で低コストであることから、パソコンやスマートフォンなどの電子機器、家電、インバーターなどで多用されている。さらにはセラミック基板の独占市場においても、樹脂を絶縁体とする金属基盤が市場シェアを拡大している。

この度、同社が開発した複合材は、セラミック素材と樹脂素材の優れた特性を生かし、高熱伝導性と高い絶縁性能・強度を実現した。セラミック素材よりも製造が容易なため、調達期間の短縮や調達コストの低減が期待できる。

一方、電子機器などで高性能化と小型化が進むなかで、「熱伝導性」に弱点がある樹脂素材は、これまで以上に効率的に放熱する性能を求められている。同社が開発した複合材は、一般的な樹脂よりも遥かに熱伝導率が高いため、絶縁基板としての放熱性能が格段に向上し、製品の信頼性向上に寄与。また、セラミックと樹脂の両素材の中間に位置することから樹脂やセラミック素材の代替品として、絶縁基板市場の新たなラインナップに貢献する。