2024年08月02日 12:41

大林組は、植林用苗木の安定供給を目的に、人工光と自然光の育成環境を組み合わせた「ハイブリッド型苗木生産システム」を開発。6月より、鳥取県日野郡日南町にパイロットプラントを設置、主に周辺地域の林業事業者向けにカラマツの苗木生産を開始した。

本システムでは、季節や出荷時期に応じて、育成環境を制御できる人工光による育成期間と、自然光による育成期間を最適に組み合わせて運用する。例えば幼苗期に限定して人工光育成を行い、その後、露地栽培による自然光育成に切り換える場合、全過程で人工光育成するよりコストを約6分の1に抑えることが可能。また、自然光環境下では成長速度が停滞する冬季に人工光で育成することで、出荷までの期間を最長2年から最短6カ月に短縮できる。

同社パイロットプラントでは、本生産システムで苗木2400本を年6回育成することが可能で、年間供給本数は約1万本を予定。この苗木1万本を植林し、適切に育林した場合、50年後には約1000m3の木材供給と、約1120tのCO2吸収・蓄積効果が見込める。

またカラマツは、国内で植林されているスギなどの樹種と比較して、木材強度が優れ、昨今需要が高まっている大規模木造建築の資材に適している。さらにカラマツは花粉中にアレルゲンとなる物質が少ないため、スギなどに比べ花粉症を引き起こしにくく、健康を増進し、ウェルビーイング実現にも貢献できる。