2024年07月10日 15:59

アプライド マテリアルズは7月8日、銅配線を2nmロジックノード以降へと微細化してコンピューティングシステムのワットあたり性能を高める、画期的なマテリアルズ エンジニアリング技術を発表した。

現在の最先端ロジックチップには数百億個ものトランジスタが搭載され、これらを相互接続する微細な銅配線は全長60マイル(約100キロメートル)以上にも及ぶ。チップ内の各層の配線は、まず絶縁材料の薄膜に回路状の溝(トレンチ)をエッチングし、そこに銅を充填して作られる。Low-k絶縁膜と銅の組み合わせは、過去数十年にわたって配線工程の業界標準の座を占め、世代が代わるごとにスケーリング、パフォーマンス、電力効率を向上させてきた。

しかし業界が2nm以降への微細化を進めるにつれて、絶縁材料の薄化によるチップの機械的強度不足、銅線の狭小化がもたらす電気抵抗の急増、そしてこれに伴うチップパフォーマンスの低下や電力消費の増加といった課題が生じてきた。

同社のBlack Diamond(TM)は、数十年にわたって業界をリードしてきたが、このたび発表されたのは、このBlack Diamondの改良版。薄膜材料が最小k値をさらに引き下げて2nm以降への微細化に対応するほか、機械的強度が向上。3Dロジックとメモリのより高度な積層化を進める半導体メーカーやシステム会社の重要課題に応える。