2024年07月10日 12:56

カディンチェでは、2020年7月より、東京大学医学部の住谷昌彦先生、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの大住倫弘先生と共同で、バーチャルリアリティ(VR)を用いた下肢幻肢痛に関する共同研究を行っている。この度、本研究にて開発されたアプリケーションを、同社ウェブサイトにて公開することとなった。

幻肢痛は四肢の欠損により運動系と感覚系の協調が破綻し、これが痛みの原因となることが示されている。本システムでは、健常肢の動きをVR内で幻肢にコピーし、視覚的に再現する手法を用いている。上肢の幻肢痛に関しては既に同様のシステムが存在しているが、下肢の幻肢痛に関してはこうした応用が行われていなかった。

本研究は、幻肢痛(神経障害性疼痛)の除去を目的としたもの。バーチャルリアリティ(VR)を用いて四肢と姿勢調節に関する視覚等情報をインプットすることにより、運動系と感覚系の協応関係を再構築するシステムを開発した。

患者の健肢にセンサーを付け、歩行様の運動や、フィットネスバイクを漕いだりといった足の動きに合わせて、さまざまなVR空間内のコースを移動できる。VR内では健肢と幻肢が表示され、両足でサイクリング or 歩行を行っている視覚的フィードバックが行われる。2022年9月より患者を対象とした実験を開始し、今後も被験者数を増やし、さらなるデータの収集と分析を行う予定。ダウンロードはこちら