2024年07月08日 12:39
奥村組と昭和コンクリート工業は、高速道路橋に使用されることが主流となっているプレキャストPC(プレストレストコンクリート)床版を、矩形状の特殊スパイラル筋「Zスパイラル筋」を用いて接合する継手工法「Zスパイラル工法」を開発した。
東日本・中日本・西日本高速道路によると、2030年頃には高速道路の80%超が供用から30年以上経過するとのことで、老朽化の進行による大規模更新の必要性が高まっている。今後多くの高速道路で、既存のコンクリート床版をプレキャストPC床版に更新する床版取替工事の実施が見込まれることから、床版取替にかかる交通規制の最小化につながる工期短縮を実現する技術の開発が望まれている。床版取替工事で標準工法とされているループ継手は、ループ筋内に橋軸直角方向鉄筋を配置する必要があり、この作業に多くの時間と労力を要していた。そこで同社は、十分な疲労耐久性を確保しつつ作業時間の短縮を可能とする「Zスパイラル工法」を開発した。
本工法は、ループ筋に橋軸直角方向鉄筋を通す代わりに、矩形状の特殊スパイラル筋「Zスパイラル筋」をループ筋の上部に差し込んで結束固定するもの。本工法の特長は「作業時間の短縮が可能」「足場の設置や作業ヤードの確保が不要」「特殊コンクリートの使用が不要」の3つ。今後、高速道路の床版取替工事に本工法を積極的に提案し、普及・展開を図っていく。