2024年06月17日 16:00
リンクバイオは、この度、日本医療研究開発機構(AMED)からの助成金に採択された。この助成金は、東京大学の吉本敬太郎准教授、奈良医大の坂田飛鳥助教、リンクバイオの3者が、新たな血栓症治療薬となる「二重特異性DNAアプタマー」の非臨床ステージに挑戦するために交付される。
抗凝固薬は、血栓症の治療や予防において非常に重要な役割を果たしており、あらゆる病態下で汎用的かつ安全に使用できる効果的な新しい治療法の開発は急務。今回、開発を目指す新しい抗凝固薬は、出血のリスクを最小限に抑えながら高い治療効果を発揮する天然型核酸医薬。本プロジェクトが成功すれば、血栓症治療における新たな標準治療薬となり得る可能性があり、世界中の患者にとって大きな福音となることが期待できる。
東京大学の吉本敬太郎准教授は、「化学修飾を施さない天然型の核酸アプタマーは、製造面と毒性リスクの面で大きなアドバンテージがあり、二重特異性化により薬剤としての性能を大きく引き上げることに成功した。」と述べた。
今回のプロジェクトが成功すれば、世界初の二重特異性(バイスペシフィック)アプタマー薬の上市に近づき、血液凝固疾患分野だけでなく核酸医薬分野にも大きなインパクトを与える。本プロジェクトに関連する論文発表や取り組みは、東京大学のプレスリリースだけでなく、米国科学振興協会のEurekAlert!や Drug Discovery Newsにも取り上げられ、海外でも注目を集めている。