2024年05月24日 15:33

関西巻取箔工業(KANMAKI)は、一般的にPETなどのプラスチックフィルムをベースとして生産される転写箔の基材を紙に置き換えた転写箔「BLOCKING FOIL(ブロッキングホイル)」を開発。今年2月、「デザインのひきだし 51(グラフィック社発行)」の表紙に採用され、問い合わせが増加していることから、テスト販売する。
本製品は、かつて「泥箔」と呼ばれた製造技法がベース。当時の真鍮粉の配合などをし、現在主流となっているプラスチックフィルムベースではなく、紙ベースを採用している。それにより、箔押し転写後のプラスチックごみの発生をなくし、紙表面のテクスチャーと真鍮粉の粒感を掛け合わせた独特の輝きを表現した。
また、この技法により、マットで高級感のあるメタリック表現も可能に。今後、装丁やパッケージなどへの環境に配慮した意匠表現として、提案していく。サイズは640mm×60m巻で、価格は1本1万5000円(税抜・送料別)。
同社は1952年創業。西陣織の金糸材料をルーツに、真鍮粉を使用した日本初の転写箔「ブロッキングホイル」を開発。独特のコーティング技術を活かし、自動車部品をはじめあらゆる工業製品の加飾材料として製品を展開している。2022年にはボールペンで描ける箔「煌葉-kiraha-」を発売。数少ない箔製造メーカーの発信者として、アーティストやデザイナー、ステーショナリーブランドとのコラボやワークショップ等を実施している。