2024年04月04日 14:56
ブロンズ新社は、翻訳絵本「ゆめのごちそう」を、4月11日、全国の書店で発売する。本書は、2014年に韓国で刊行された作品で、カエルのお兄ちゃんとオタマジャクシのきょうだいの「家族の愛」をテーマに制作された。仕事にでかけるおとなにかわって、きょうだいたちのめんどうをみる、「にいちゃんカエル」の奮闘が描かれている。
ペク・ヒナさんは1971年、ソウル生まれ。韓国の梨花女子大学卒業後、カリフォルニア芸術大学でアニメーションを学ぶ。人形制作、緻密なセット作り、撮影までをひとりでこなし、独自のファンタジー世界を作り出す。「あめだま」(ブロンズ新社)で「第24回日本絵本賞」の翻訳絵本賞と読者賞をダブル受賞。2020年に「アストリッド・リンドグレーン記念文学賞」を受賞し、世界的な絵本作家に。
ペク・ヒナさんの作品は、手作り人形の撮影手法が特徴的だが、本書は遠近感と水辺のシズル感を出すため、アニメのアナログ制作のセル画を何層も重ねて撮影する新たな手法でつくられた。背景や池の手前に生える水草などの奥行が見事に表現され、水辺の湿度感まで伝わってくる。
翻訳は、これまでもペク・ヒナ作品を軽妙な関西弁で訳してきた長谷川義史さんが担当した。長谷川さんならではの言葉の表現を、ぜひ声に出して楽しんで欲しいとしている。定価1540円(税込)。