2024年02月20日 14:11

東京ミッドタウン皮膚科形成外科Noage(ノアージュ)院長・上島朋子医師は、男性型脱毛症と女性型脱毛症の進行経路の違いについて研究。本臨床研究の論文「トリコスコピー像から判明した男性型脱毛症と女性型脱毛症の進行経路の違い」が、美容皮膚・ヒト臨床ジャーナル「Journal of Cosmetic Dermatology(JCD)」2024年1月号に掲載された。

従来、男性型脱毛症(MAGA)と女性型脱毛症(FPHL)は、同様の経過をたどり進行するといわれてきた。また、男女の違いを含めてトリコスコピー(毛や毛包周囲を拡大鏡によって診断する方法)による男女比較が充分なされてこなかったため、有効な治療法を選択するのが困難だった。

本研究では、男性型脱毛症126例と女性型脱毛症57例を対象として、9つの定量的トリコスコピー因子を詳細に分析。その結果、男性型脱毛症と女性型脱毛症の進行経路には違いがあることが明らかになった。これにより、男性型脱毛症と女性型脱毛症の進行要因に関する新たな仮説が立てられ、新規治療法の開発に役立つ可能性が見えてきた。特に、個々の患者に対する治療法の選択において、これらの進行経路の違いを考慮し、従来の一律的な治療法とは異なるアプローチが必要であることがわかった。

本研究による知見は、男性型脱毛症と女性型脱毛症の治療法の開発に役立つ可能性があるとともに、患者個々人に対する治療法の選択にも有用であると考えられる。論文はこちら