2024年02月09日 12:52
奥村組は、鉄筋コンクリート造建築物において、梁幅を柱幅より広くし、一般的な梁よりも梁せいを小さく抑えた扁平梁を適用する「奥村式扁平梁工法」を開発し、日本建築総合試験所の建築技術性能証明(GBRC性能証明 第19-13号改1)を取得した(特許取得済)。
同社は、梁型をなくして柱とスラブのみで構成するフラットプレート構造に関する研究・実験により「奥村式フラットプレート工法」を開発したが、架構の耐力や剛性、経済性の観点から、中低層の集合住宅等への採用に限定されていた。そのため、高層・超高層の集合住宅等においても適用可能な「奥村式扁平梁工法」の開発に着手した。
扁平梁は梁せいを小さく抑えられるが、剛性や耐力を確保するために梁幅を大きくする必要がある。本工法は、扁平梁の柱幅から突出した梁部分を「ねじり補強筋」や「かんざし筋」等で適切に補強することにより剛性や耐力を確保しつつ、柱幅に対する梁幅の比を最大3倍まで広げ、梁せいを最大で柱幅の半分まで小さくすることが可能となる。本工法の設計施工指針では、工法独自の跳出し部のねじり強度や接合部せん断強度の設計方針等を明確に示しており、これらを考慮した設計を行うことで、跳出し部を含めた扁平梁の構造性能を十分に発揮できる。なお、本工法における扁平梁や柱梁接合部の構造性能ならびに設計法は、試験体計19体を用いた構造実験の結果より妥当性を検証済み。本工法の適用により、有効天井高や窓開口を大きく確保できるため、設計自由度が高まる。今後は、主に高層・超高層の集合住宅等への適用を積極的に推進していく。