2023年12月19日 12:33

次世代太陽電池で世界に挑戦しているスタートアップ「PXP」は、この度、自由に貼ってつなげる「曲がる太陽電池」の新技術を開発した。極薄の金属箔基板(正極)上に太陽電池を形成。最表面に櫛状電極(負極)を形成した太陽電池セルの、裏(正極)と表(負極)を直接貼り合わせてつなげることで、大きさも形も自由なソーラーパネルが作製可能になった。

セルをつなげる方法は、タブ線とはんだを用いてつなげる方法が一般的だが、コスト削減や銀の使用量の削減のために、セルを直接貼り合わせてつなげる方法の開発が、近年活況となっている。

また、セルを貼り合わせる方法では、導電性接着剤を用いるのが一般的。しかし、金属箔基板を用いた「曲がる太陽電池」で導電性接着剤を用いた場合、はんだで貼り合わせた場合に比べ、電気抵抗が高くなってしまい、性能が低下してしまう問題があった。PXPは、はんだフリーかつ銀フリーで簡単にセルを貼り合わせる新技術を開発し、はんだ同等の電気抵抗で貼り合わせが可能になった。

太陽電池の性能を低下させることなくセルを貼り合わせる技術ができたことで、ソーラーパネルを大面積化しても高い性能を維持。また、新技術は全固体電池一体型ソーラーパネルの接合にも活かされる。基板がフレキシブルなだけでなく、つなぎ方もフレキシブルになることで、従来型の太陽電池の枠を超えた幅広いアプリケーションで、ソーラーエネルギーが手軽に利用できるようになると期待される。