2023年11月20日 09:45
東京シティ競馬(TCK)は、競走馬が排出する馬糞や使用済みの敷料(藁などの混合物)を環境に配慮しながら安定的に処理していくため、微生物を用いた有機物処理機「KID SYSTEM」を新たに導入し運用を開始した。
これまで、大井競馬場のきゅう舎から出た馬糞等は、船橋市や市川市で栽培されている人参・梨の堆肥やマッシュルーム栽培の菌床として活用してもらうなどリサイクルを原則として処理していたが、環境に配慮したうえで将来にわたって安定的に馬糞等を処理する方策を検討してきた。
今回導入する「KID SYSTEM」(製造:日本発酵)は、微生物を用いた分解処理により有機物を減容させるもので、99%以上が水蒸気や窒素などに変わり消滅する。焼却処理と比較し92%以上の二酸化炭素削減につながり、ダイオキシンのような有害物質も発生しないほか、給排水を必要としないため下水汚染の問題もないとされている。これまでは主に青果市場などで活用されてきたが、検証を重ねた結果、競走馬の馬糞等に対しても良好な状況が確認できたため、運用を開始することとなった。今回導入する筐体では、大井競馬場から排出される馬糞等のうち1日あたり約100Lが処理可能で、良好な運用状況が確認でき次第本格的な導入(処理量の増)を目指すほか、場内の飲食店等からでる生ごみの処理にも活用を見込んでいる。TCKでは、今後も環境に配慮した事業運営を行っていく。