2023年09月05日 15:39

大日本印刷(DNP)は、患者の服薬状況をオンラインで確認できる「服薬サポートサービス」を利用して、三重県での広域連携モデル「美村(びそん)」プロジェクトと連携した実証実験を開始した。
「美村」は、三重県中・南部の多気町・大台町・明和町・度会町・紀北町が連携し、5町で1つの仮想自治体として、共通のデジタルシステムを活用した魅力的な地域づくりを推進するもの。今回、「服薬サポートサービス」の実証の第一弾として、本サービスの有用性や診療所や薬局での運用課題などを調査する実証実験を、2023年3月~5月に大台町で行った。
DNPは、2017年に服薬状況を管理するデバイスとして「服薬管理カレンダー」を開発した。このカレンダーには、曜日ごとに朝・昼・夕の食後と就寝前の4つのポケットがあり、各ポケットに服用1回分の薬を1週間分格納。裏面には、印刷技術で形成した回路があり、それによって各ポケットと電子モジュールの端子をつないでいる。患者が各ポケットから薬を取り出すと、ポケットの位置と取り出した日時の情報が自動的にクラウド環境で送信されて記録される。
実証実験では、薬剤師が「服薬管理カレンダー」を通じてオンラインで服薬状況を把握し、診療所や薬局との連携を行った。外来診療の際には、この情報をもとに医師や薬剤師が指導。今後、薬剤師が服薬状況をモニタリングする際に、服薬の漏れや間違いを患者にその場で伝えるなど、患者の自立を促すような服薬支援を行うことを目指している。