2023年06月30日 12:22

東京医科歯科大学と、VIE STYLE(ヴィースタイル)は、ヴィースタイルが開発したイヤホン型脳波計を用いて、精神状態を解析・改善し、臨床場面でも活用するための共同研究を開始した。

ストレスやプレッシャーによって不安・緊張が生じ、スポーツや仕事におけるプレゼンテーションなどでパフォーマンスが低下してしまうことは、誰もが経験する。こうした「自分でコントロールしたくても出来ない(気分などの)メンタル状態」に関しては、専門的なセラピストによる認知行動的な療法か、実験室環境で行うニューロフィードバック、投薬などが提案されている。しかし、多くの人が手軽に利用できる手段ではない。

そこで、東京医科歯科大学が強みとする各種精神症状への生物学的精神医学のアプローチと、ヴィースタイルが持つウェアラブル脳波計「VIE ZONE」と汎用ニューロフィードバックアルゴリズムを活用。それらを組み合わせることで、不安や緊張状態に対して、在宅でも行えるような簡易な訓練プログラムの開発を進めることとなった。

本研究では、まずは健常者を対象に、不安・緊張状態をイヤホン型脳波計を用いて把握することが可能かどうか検証を行い、その後不安・緊張状態でない状態との判別が可能かを検討。将来的には、不安・緊張だけでなく、焦燥・渇望といった他の精神障害と結びつきやすい状態に関する応用研究も実施。従来のアプローチが手に届かなかった「症状を緩和・解消するための新たな介入手法」としての開発を目指す。