2023年06月26日 09:55

日本財団は、「THE TOKYO TOILET」プロジェクトで整備した公共トイレの渋谷区への譲渡式を6月23日に渋谷区役所で開催した。
トイレは日本が世界に誇る「おもてなし」文化の象徴。しかし、多くの公共トイレが暗い、汚い、臭い、怖いといった理由で利用者が限られている状態にある。「THE TOKYO TOILET」プロジェクトでは、性別、年齢、障害を問わず、誰もが快適に利用できる公共トイレを渋谷区内17カ所に設置。建築家の安藤忠雄さん、隈研吾さん、伊東豊雄さん、クリエイティブディレクターの佐藤可士和さんなどが参画し、優れたデザイン・クリエイティブの力で、インクルーシブな社会のあり方を広く提案・発信している。加えて、訪れた人々に気持ちよく利用してもらえるよう、従来に比べ清掃をはじめとしたトイレの維持管理を強化。これにより、利用者自身が次に使う人のためを思う「おもてなし」の心の醸成も目指していく。
2018年から始まった同プロジェクトは、2023年度末をもって、日本財団から渋谷区へトイレの維持管理を引き継ぐ。譲渡式当日は、日本財団常務理事の笹川順平さん、長谷部健渋谷区長ほかプロジェクト発案者であり資金提供をした柳井康治さんも登壇し、同プロジェクトの目的及び公共トイレの維持管理を推進するにあたっての課題などを述べた。日本財団は、渋谷区への円滑な移管に向けて引き続き2023年度末まで維持管理協議会に参画するほか、資金面でも支援を行う。また、他の自治体にも参考にしてもらえるよう、これまでに得た調査データや知見を総括し、活用していく。