2023年05月25日 13:11

NPO法人ライフバトンは、授かった命と向かい合うために、1泊2日等で過ごせる無償のリトリートコースを用意した、リトリートホーム「実のり」をオープンする。

現在、年間出生数約80万人に対して、年間中絶件数は約12万件以上。その背後には、思いがけない妊娠をした女性達の抱えがちな、家族やパートナーとの関係や経済的・心理的な課題がある。ライフバトンでは、そうした課題に対応するため、2021年9月に法人格を取得し、電話・メール・SNS・対面・オンライン、様々な方法での相談窓口を開設した。

さらに、もう一歩踏み込んだ対応の必要性を感じるようになり、本施設をオープン。日常から離れてゆったり滞在できる部屋を用意し、安心・リラックスした状態で、自分自身と授かった命を見つめる時間を持つことができ、状況に応じて助産師に相談もできる。そんな場所を提供する。宿泊場所については非公開だが、利用者には問い合わせに応じて個別に案内。問い合わせは現在の相談窓口同様に、都内近郊に限らず全国から受け付ける。

専門家からは、「これまで、行き場を失った妊産婦向けの施設等はあったが、リトリートのコースまで用意している場所はなかった」といった声も。ドイツでは中絶する前に「妊娠葛藤相談所」で専門家の相談を受けることが法律で定められているが、国内でそうした取り組みが進むことの一つのキッカケとして用いられることを期待する。