2023年05月19日 09:04

大阪シーリング印刷は、このたび「ボイル可能なサーマルラベル」の開発に成功した。

一般的にサーマル紙は熱で発色する機能があり、ボイルなど高温で加熱すると黒色に発色して、印字部の文字が見えなくなる。よって、サーマル紙はボイルなど加熱には不適合とされていたが、約100℃の熱湯でボイルしても黒く発色しないサーマルラベルを開発した。ラベルの印字部もボイル前と変わらない濃度で読み取れることが可能になる。

ボイルなどの高温加熱は禁忌とされていたサーマル紙だが、熱湯など高温環境下においても黒く発色しないサーマル塗料開発(特許出願済)や耐熱性を向上させ、ボイルしても塗工層が基材から剥がれない材料を選択し、OSPグループが長きに亘り培ったコーティング技術により実現することができた。

食品メーカーでは製造工程で、袋にお惣菜や肉、漬物やソースなどの中身を詰めた後、加熱殺菌のために高温でボイルする。ボイルした後は、商品にラベルを貼りつける工程でサーマルラベルが熱で、発色しないように商品が冷めてから貼り付ける。しかし、温度を下げるには時間がかかり、作業効率が悪くなるという課題があった。本製品は加熱しても発色しないため、冷ます工程が不要となり作業効率が向上する。また、小売店の店内調理や飲食店の調理時にボイルする場合も、ラベルが発色しないため商品管理や在庫管理に必要な表示が消えず使用することができる。