2023年01月11日 15:50

Eco-Porkは、繁殖するための母豚が自由に動ける「フリーストール」飼いの環境下でも、「発情検知」「個体識別」を可能とするAI技術を国内で初めて開発し、実証を完了した。本技術は、生物系特定産業技術研究支援センターの「令和3年度スタートアップ総合支援プログラム(SBIR支援)」の支援を受け開発。本件は特許出願中の技術となる。

従来のAI技術では、「ストール」と呼ばれる柵で1頭ずつ区切って飼養する方法でのみ、繁殖豚の発情管理が可能だった。本技術では、豚が自由に動けることから欧米を中心にアニマルウェルフェアの観点で望ましいとされている「フリーストール」で飼養される繁殖豚を管理することが可能。

個体識別については、AIカメラが、区画内にいる繁殖豚を自動で見つけ、それぞれの繁殖豚の耳に取り付けた識別子(耳標の色組みあわせ)を検出。その色味の組みあわせパターンを用いて、個体を特定する。移動する繁殖豚をAI技術で自動追跡し、複数の画像を用いて判断することで、99.7%の精度で個体の特定が可能する。これにより、「フリーストール」内に豚が複数飼われている状態でも、特定の豚を識別することが可能となる。

発情判定は、AIカメラが、繁殖豚の生殖器の状態をAI技術により分析し、発情/非発情のいずれであるかを判別。生殖器の状態を適切に捉えるための最適な静止画を、AIが動画から自動取得し発情判定を行うことで、判定精度98.3%を実現した。豚舎の明るさや環境が異なる場合でも、判別精度を保つ事が可能となった。