2022年09月29日 15:52

創業132年の老舗紙屋「ペーパル」は、オイシックス・ラ・大地社と、ニンジンの皮をアップサイクルしてできる紙素材を開発。今年9月、「vegi-kami にんじん(ベジカミ ニンジン)」の開発に成功した。

現在、日本全体で年間646万トンにもおよぶフードロスが問題となっているが、この数量には、加工や流通段階で食用として使えなくなってしまうものや非可食部分は含まれていない。このような素材を様々な方法で活用することで、社会的な損失を減らすことが現在求められている。

本製品は、捨てられるはずだったニンジンの皮をアップサイクルした紙素材。回収したニンジンの皮を細かく砕き、パルプと均一に混ぜ合わせる。手作業で混ぜ合わせながら不純物やかたまりなどを丁寧に取り除き、混ぜ合わせた原料を均一に広げ、シートを作る。次にフェルトに乗せてプレスロールにはさみ、水分を絞ったあとに乾燥。最後に表面をなめらかにすることで、「vegi-kami にんじん」が出来上がる。

紙の表面をじっくりと見ると、ほのかなオレンジ色のつぶつぶが、豊かな表情と質感を生み出している。白色ベースの紙なので、印刷の発色や加工性も良く、様々な用途で活用することが可能。また、紙の売上の1%をフードバンクに寄付することで、フードロス削減の活動を応援する。まずは、オイシックス・ラ・大地社の「かけて楽しい サクサクりんご皮のクリームタルト」のパッケージやリーフレットに使用。今後も素材を広く普及させることで、フードロス削減への貢献を目指す。