2022年09月05日 15:29

大日本印刷(DNP)は、2019年からベトナム国家大学ハノイ校と共同で行動認識AIの研究を行っている。これは、人の多様な行動や振る舞いを統合的に捉え、人のインサイト(特徴・状態・関心)を推定し把握しようというもの。この研究結果に基づき、「行動認識AI」を、オンサイト(接客現場)におけるBPOサービスに導入する。

接客関連業務を受託するオンサイトBPOサービスは、期間が限定的でその都度実施場所も変わることが多いため、派遣するスタッフの折衝力・対応力が、大きな提供価値となる。しかし特定のスタッフへの負荷の集中や、スキルへの依存が大きくなるため、ナレッジマネジメントやスタッフの適切な評価、課題や状況変化の迅速な把握などが課題となっていた。

今回導入した「行動認識AI」は、特定のエリア内にいる人の行動やしぐさ、振る舞いを認識。カメラで人の骨格を捉え、手の動きや顔の向きのほか、しゃがむなどの身体の姿勢、物を持つなどのしぐさ、滞在時間や移動経路など、人のさまざまな振る舞いを感知して、行動ログを収集・蓄積する。

この行動ログを活用して、各売場におけるさまざまな課題や変化を分析することで、DNPから派遣するスタッフのパフォーマンスやエンゲージメント向上を実現。また個人情報保護の観点から、撮影した売場の映像を骨格情報の数値に置き換えて収集。これを視覚的・直観的に理解しやすい骨格動画に再現することで、誰にでもわかりやすい形にし、売場の状況や課題の可視化につなげる。