2022年08月17日 12:48

AIdeaLabは、深層学習を用いたフォント生成システムの特許出願を行った。

従来のフォント制作は、職人の細かい手作業に長い時間が必要となる。特に日本語のフォントは膨大な数の漢字を個別に制作する必要があり、英語圏のフォント制作とは比べ物にならないほどの制作期間が必要だった。そこで同社は、今まで手作業で行われてきたフォント制作を、AIにより効率化する技術の開発に着手した。

同社は、生成モデルの一種である敵対生成ネットワーク(GAN)をベースに用いて、フォントを生成する技術を開発。これにより、今まで年単位の時間がかかっていた日本語のフォント制作が、極めて短い時間で実現できるようになる。同技術のフォント生成モデルは、大量のフォントを学習させたうえで、手作業でデザインした数個の文字から太さやセリフの形状などの特徴を抽出し入力パラメータとして使用して、フォントを生成。また、入力パラメータの値を調整することで新たなフォントを出力することもできる。さらに、モデルの出力をピクセル画像ではなくベクター画像として生成する独自の技術により、フォントファイルへの出力を可能とした。なお、今回の特許出願はアプリケーションUIを含む。フォントの特徴を司るパラメータを調整することでフォントを生成するUIや、少ない文字数のフォントデザインをアップロードするだけでフォントを生成するUI等、さまざまなパターンのサービス展開を見据えて出願に織り込んでいる。

今後の展開としては、特許出願技術を元に、フォント制作会社向けのフォント生成を補助するソフトウェアの開発を予定している。

AIdeaLab