2022年06月27日 15:02

産経新聞社とデータアーティストは、6月27日、AI(人工知能)を利用して新聞広告を紙面に配置するシステム「AI割付」を共同開発した。

新聞広告はクライアントの要望に応じて、掲載日や掲載面などの条件、同一業種や同一製品などが重ならないように、人の手によって様々な要望を勘案して新聞広告を配置してきた。しかし、この作業をAIが行うことにより、迅速で効率的割り付けが可能になる。移行期間を経て、今夏にも実装する。

昨今、新聞広告はダイレクト通販などの直接的な反響を求める広告主からの出稿が多くなっている。特にそれらの広告主は、同業他社や自らの商品やサービスと同系統の内容を同じ日に掲載しないように要望することが多い。また、掲載面によってのカラー・モノクロ掲載の調整など全て加味しながら掲載まで運ぶ。このシステムは、それら諸条件をAIに読み込ませて瞬時に割り付けを完成させることで、一連の作業でかかる膨大な調整事項を軽減し、より効率的かつ最適な紙面割付を目指す。

また、今後は「AI割付」を読者にとっても有意義なものに発展させるために、システムの中に様々な外部情報を取り込むことで、時宜を得た広告の掲出が可能になる構想もある。例えば、梅雨明けのタイミングに合わせてアイスクリームの広告を出すなど、より最適なタイミングで最適な広告を出せるようなシステムに進化させる。同システムは、新聞広告の可能性を広げるのみならず、デジタル技術の活用により既存業務を変革する「DX」の一例として、さまざまな媒体への広がりが期待される。

産経新聞社