2022年06月23日 19:00

ポーラ ミュージアム アネックスでは、2018年開催の「中世より愛をこめて」から4年ぶりとなる野口哲哉さんの展覧会「this is not a samurai」を、7月29日より開催する。

野口哲哉さんは、鎧兜をモチーフに人間の内面性や多様性を問いかける美術作家。2021年の巡回展をはじめとした国内外での展示開催や、海外ブランドとのコラボレーションなど、その活躍は多岐に渡る。見る人に感情を押し付けないニュートラルな作風は、あらゆる世代や国籍の人々に広く受け入れられてきた。

野口さんは、樹脂や化学繊維といった現代的な素材を使って作品を制作している。それは、鉄や漆などの素材、あるいは鎧兜といったモチーフに付きまとう、「こうあるべき」という原理主義的な事柄に対する、野口独自のアイロニーでもある。鎧武者だけではなく、人間が誰しも持つ暴力性や生々しさ、現代人だけではなく、どの時代の人間も持つ優しさや美しさ。野口さんの作品は、心地よい緊張感と静かなユーモアが交錯する、新しい形の現代美術と言える。

本展では、野口さんの作品の中から代表作の立体や平面など約40 点と、本展のために制作された新作も併せて展示。作品に込められた優しさと悲しさ、人間への好奇心にあふれた世界を紹介する。「野口哲哉『this is not a samurai』」、会期は7月29日~9月11日・会期中無休。会場はポーラ ミュージアム アネックス。