2022年06月21日 12:32

「株式会社Qception(キューセプション)」は、ニオイセンサのスタートアップとして、国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)の研究者である今村岳さんが代表となり、5月2日に設立した。

2011年、NIMSの研究者である吉川元起さんらが膜型表面応力センサ(MSS)を発表した。MSSは、超小型でありながら高感度を実現し、さらに様々な固体材料をガスの検知材料(感応膜)として用いることができるという化学的多様性を有していることから、人間の嗅覚を模倣したニオイセンサの素子として最適なセンサだ。今回、MSSのことを最もよく知るNIMSの研究者が積極的にMSSの市場開拓を進めていくことが、MSSの社会実装を加速させると考え、NIMSの研究者である今村岳さんを中心に、NIMS発ベンチャーとして「株式会社Qception」を設立した。

人間の五感の中で、嗅覚は唯一まだ世界的なスタンダードが確立していない感覚だ。しかし、言うまでもなくニオイは人間にとって非常に重要な情報源であり、ニオイを客観的に測定できるニオイセンサは様々な産業分野で求められている。そのような需要に答えるべく、ニオイセンサに必要な各種要素技術を開発・統合することによって、ニオイセンサのスタンダードを確立し、「ニオイを測る文化」を作ることが同社の目標だ。事業内容は、ニオイ測定コンサルティング、感応膜塗布/感応膜付きMSSチップ販売、簡易測定器販売、生体ガス測定。

設立年月日は2022年5月2日。本社所在地は、茨城県つくば市千現2丁目1-6。

Qception