2022年05月31日 12:43

革新的カーボン新素材の開発および製造販売を行う株式会社「3DC」は、この度、革新性と事業性が評価され、NEDO NEP事業へ採択された。それとともに、リアルテックファンドを引受先とする創業ラウンドで、資金調達を実施した。

同社は、次世代電池やキャパシタ、燃料電池などの蓄電・発電デバイスの電極に向けたカーボン新素材GMSの開発、および製造を担う東北大学発のベンチャー企業。

3DCが手掛けるカーボン新素材は、グラフェンメソスポンジ(GMS)。従来の炭素原子がハチの巣のように六角形に結びつくグラフェンは、耐久性や製造コストの課題から用途が非常に限らる。一方GMSは、グラフェンと同様のほぼ炭素1原子分の厚みでスポンジのような三次元構造を備える。このひと続きの構造が、耐久性の課題を世界で初めて解決する。また、一般的な電池用カーボンよりも柔軟であるため、電池電極の構造変化に追従するだけでなく、様々な応用が期待できる。

同社は、GMSの量産性を高め、製造コストを大幅に下げる製造技術の確立に目処をつけつつある。今回調達した資金は、GMSを使用した製品の開発や素材のチューニングなど、各製品の早期実用化に向け、国内外の多数の電池・機械・自動車メーカーとの研究開発への投資を予定。高性能電池による真のサステナブル社会の実現に寄与するとともに、グリーン成長戦略を掲げる日本の経済成長と産業の発展に貢献していく。