2021年11月16日 19:00

近畿大学と敷島製パンは、食品加工残渣を原料として、近畿大学が開発したカーボンニュートラルな次世代バイオ固形燃料「バイオコークス」を製造する実証実験を開始した。将来的には、食品加工残渣等で製造したバイオコークスを自社工場等で使用する、資源循環モデルの構築をめざす。

敷島製パンでは、パン類の製造過程で発生する年間約3万トンの食品加工残渣において、現在はそのほとんどを飼料、肥料、燃料等にリサイクル処理している。一方で、SDGsの目標「つくる責任、つかう責任」にもあるように、持続可能な消費と生産が求められる今、食品加工残渣の新たな活用法を検討してきた。

その中で、近畿大学が開発した次世代バイオ固形燃料「バイオコークス」に着目。今後、約1年間にわたって実証実験を行い、近畿大学においてパンの耳などの食品加工残渣から、バイオコークスを効率的に製造する方法を研究する。また、製造したバイオコークスを敷島製パンの自社工場等で燃料として使用するという、資源循環モデルの構築が可能であるかどうかを検証。ボイラー利用や鉄鋼メーカーの溶解炉への適用性、二酸化炭素削減可能量なども検証する。

食品加工残渣削減とCO2排出削減の両方の達成をめざし、産学連携でこれらの実証実験に取り組み、熱源としてのバイオコークスの利用価値を計る。