2021年09月07日 17:19

国立映画アーカイブでは、毎年恒例の上映企画「サイレントシネマ・デイズ2021」を、10月5日より6日間にわたって開催する。映画初期に製作された無声映画は、当時、まだ映画保存の必要性がそれほど強く認識されていなかったことに加え、災害や戦禍などが重なったことにより、世界のどの国や地域においても残存率が低くなっている。

本シリーズ企画は、世界各国の無声映画に弁士の説明や生演奏を付けて上映することにより、その素晴らしさや貴重さを観客と共有し、次代へ継承するための企画。今回はすべてアメリカ映画で、6プログラム9作品が上映される。

アメリカ議会図書館が2020年に染色も含めて復元した「曠野に叫ぶ」(1921)は、復元版としては日本初上映となる。そのほか、「第七天国」(1927)や「街の天使」(1928)で知られるフランク・ボーゼイギ監督「なまけ者」(1925)。ハリウッド最初期に大スターとなった早川雪洲が、自身のプロダクションで製作し、主演もした「男一匹の意地」も上映。またセシル・B・デミル監督の「カルメン」は、活動写真弁士の澤登翠さんと伴奏の湯浅ジョウイチさん、鈴木真紀子さんによる弁士・伴奏つきで楽しむことができる。

さらに、NFAJ所蔵弁士説明版選集では、往年の活動写真弁士による説明の録音つきフィルムを上映。6プログラムとも個性にあふれた必見のプログラムとなっている。サイレントシネマ・デイズ2021( Silent Film Days 2021)会期は10月5日~10日。詳しくはこちら