2021年07月26日 10:05

ワコンは、ドライアイスを代替する冷凍用保冷剤「キプクル」を発売した。

現在、ドライアイスは既に国内需要をまかなえておらず、CO2削減の世界的な流れのある中で、今後ますます需給バランスはひっ迫することが予想される。さらにドライアイスの消費量はそのままCO2排出量としてカウントされることから、企業の環境対策の観点からも保冷剤の代替のニーズがあった。しかし、冷凍用保冷剤を凍らせるには-20℃程度の一般的な冷凍庫ではなく、-35℃以下の専用冷凍庫が必要であり、その導入には、200Vの電源工事、専用冷凍庫の購入費用、電気代といった莫大なコストと、専用スペースの確保、ドライアイスにはない凍結作業といった大きな手間があった。このドライアイス消費と冷凍用保冷剤導入の課題を解決するために、「キプクル」を開発した。

「キプクル」は、独特な形状と特殊技術により、凍りやすさを追求し、マイナス20℃の一般冷凍庫で凍らせることを実現。従来の冷凍用保冷剤の冷却能力は50kcal/kg以下に対して、「キプクル」は70kcal/kgの能力がある。そのおかげで、従来品の1.5倍の時間を冷凍温度にすることができる。また、1日当たり350kgのドライアイスを使用している現場の場合、年間約1050万円をドライアイス代に投じている(100円/kgとして計算)。「キプクル」を導入すればその費用が不要になり、「キプクル」の購入費と作業費等を含めてトータルコストを年間約110万円に抑制でき、従来の冷凍用保冷剤を使用した場合の年間386万円と比べても約1/3で済む(同社試算)。

ワコン