2021年07月20日 17:41

資生堂は、長年蓄積してきた顔や表情の研究知見とデジタル技術を組み合わせ、顔形状3次元(3D)データから表情を解析できるタブレット端末用アプリの開発に成功した。

同社は、長年にわたる顔や表情の研究のなかで、様々な手法で顔形状や表情の解析を行ってきた。従来、簡便に取得可能な2次元(2D)データを用いた解析なども実施してきたが、より精査な解析を行うためには、平面的な2Dデータだけではなく、頬の高さなど立体的な3Dデータの活用が有用。しかし通常、顔3Dデータは研究施設にある専用の機械を用いて取得し、さらには専門知識をもつ研究員による解析が必要となる。そのため、一般ユーザーが、自分で顔3D形状や3D形状に基づいた表情の変化を精緻に理解することは困難だった。そこで、市販のタブレットに搭載されているカメラを用いて簡便に表情を解析できるアプリの開発に着手した。

今回開発したアプリでは、顔の3D特徴点データをリアルタイムで取得。3Dデータを用いて物理的な口角間距離、目のサイズ、口角と目尻の距離、頬の高さなどをリアルタイムで計測することで、顔の表情変化を数値で分かりやすく表現することができる。それにより、笑顔の度合いや手入れ効果などをどこでも簡単に、ユーザー自身で評価することが可能。

本技術は同社の様々な研究に活用される他、独自プログラム「S/PARK Studio 美活ジム」にて、ユーザー自身で表情の変化を確認する「美活ジムアプリ」として展開する。