2021年04月23日 18:32

このたび、埼玉工業大学工学部生命環境化学科 環境計測化学研究室 松浦宏昭准教授の研究チームが、再生可能エネルギーを高い効率で利用可能なレドックスフロー電池を開発。2020年3月11日から、約3000 時間の稼働を実現した。この新型のレドックスフロー電池は、本学で2号機となる。

今回は大韓民国のエネルギー関連企業との共同研究により「太陽光発電 とレドックスフロー電池」を組み合わせた電力需給システムを開発、導入して実証実験を進めてきた。実証実験では1年間の気象サイクルによる太陽光パネルでの発電と、連動するレドックスフロー電池への蓄電および蓄電した電気を館内照明設備に給電するといった、実環境における動作特性のデータを取得。

特に太陽光発電で余った電気を蓄電する稼働方式では、従来利用されていなかった電気を貯めて、夜間に使用する運用を実証した。これにより、再生エネの高効率な利用を実現する蓄電池の実用化に向けた技術が検証できた。またレドックスフロー電池のさらなる性能向上を目指した課題とその改善手法も明確に。このレドックスフロー電池の実用化により、再生エネの有効活用と電力の自給自足が可能となる。また地震や台風などの自然災害による停電対策として、自治体庁舎や病院の非常用電源として利用できる。

埼工大では、今後も高効率で安定的な自然エネルギーによる発電システムや、高い安定性と高効率化を実現する蓄電システムの研究開発を強化していく。