2020年10月09日 18:33

大和書房は「ゴハンですよ」(東海林さだお 著)を10月10日に発売する。

「ゴハンを、いかにおいしく食べるか」。日本人に普遍的なこの「ゴハン」というテーマについて、東海林さだおさんは誰よりも、深く、しつこく取り組んできた。ゴハンの食べ方、ゴハンのお供、ゴハンの思い出、そして、おにぎり、お弁当についての笑いと共感のエッセイ最新刊が本書「ゴハンですよ」。新米の季節、ゴハンを様々な角度から味わい尽くし、読むほどにお腹がすいてくる1冊となる。

「ゴハンですよ」の珠玉のエッセイを抜粋。「大冒険 梅干し一ケで丼めし」より、『飽食の時代と言われて久しい。そのアンチテーゼとしても、この試みは、時代にマッチした冒険と言えると思う。目の前に、ホカホカと湯気をあげる丼一杯のゴハンと冷えびえと小皿の上に横たわる一個の梅干しがある。なんだか日本人の血がさわぐ。一口め。箸の先に、ゴマ粒ほどの梅干しをけずりとってゴハンの上にのせて口に入れ、三十一回噛んで飲みこむ。むろん、一口分のゴハンに対する塩気としてはまことに不十分である。一口分のゴハンの片隅に、かすかな塩気を感じるだけだ。しかし、その分、ゴハンそのものの味を十分味わうことができる。不思議なことに、つらい、という気持ちにはならない。むしろ、一種のさわやかささえ感じる。』

ゴハンですよ」は10月10日発売。価格は本体800円+税。