2020年09月10日 12:49

東芝インフラシステムズは、同社が製造した鉄道用電気品が東海旅客鉄道(JR東海)の東海道新幹線新型車両「N700S」に採用された。

「N700S」は、13年ぶりのフルモデルチェンジとなる新幹線車両で、安全性、安定性、快適性、環境性能その全てを最高レベルで乗客に提供することを目指して開発された。採用されたのは、同社の独自技術を使った自走用バッテリー装置、電源装置に加え、SiC素子を使用した主変換装置、車両伝送システム、保安装置等で、40編成の車両に納品予定だ。

同社は、同社グループのリチウムイオン二次電池「SCiB」を用いて同社とJR東海が共同開発したバッテリー自走システムを納入した。2018年に納入したN700S確認試験車と比べて2倍の電池容量を搭載し、自走可能距離の機能向上を実現している。これにより、長時間停電時にも、乗客の避難が容易な場所までの自力走行が可能となり、新幹線の安全性に大きく貢献した。また一部トイレへの電源供給が可能だ。さらに、車両の全席モバイル用コンセントに対応でき、かつバッテリーシステムに充電できる機能を持たせた電源装置も納入した。

同社は、今後も「SCiB」やSiC素子などのデバイスからシステムまでの一貫した自社開発を進め、高効率化と小型化を両立する駆動システムを国内外へ積極的に展開していく。

東芝インフラシステムズ