2020年09月07日 18:49

国立成育医療研究センターと3Hクリニカルトライアルは、遺伝子治療を受けた患者の長期フォローアップの支援を目的とした、システム開発を始める。

難治性疾患が集中する小児病院において、入院患者の約54%は遺伝子の変化が関与した疾患をもつと言われており、今後遺伝子治療は、新たな治療法の選択肢の一つになる。2019年3月にB細胞性急性リンパ芽球性白血病とびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の細胞加工製品、2020年3月に脊髄性筋萎縮症の遺伝子治療用製品が承認され、投与が開始された。

しかし、遺伝子治療はその性質上、治療を受けた患者に対して、治療の「安全性」および「有効性」を長期間観察する必要がある。特に小児期に治療を受けた患者では成長の変化が大きく、正確な日々の生活行動の記録が必要となってくる。

本研究では、3Hクリニカルトライアルが開発したePRO(電子患者日誌)システム「3H P-Guardian」の基盤を利用し、患者や家族が日々の生活活動を適時・的確に記録できる、また、主治医など医療機関からの関連情報を速やかに入手できるシステム開発を目指す。そうすることで、遺伝子治療を受けた患者と家族が、主治医等の医療関係者と密接な連携の下、最低でも成人期までの長期に渡るフォローアップが期待できる。