2020年06月30日 17:33

凸版印刷は、2019年7月に開発した印刷による複製技術「Refina Graphy(レフィナ グラフィ)」を用いて制作した国宝「洛中洛外図屛風(舟木本)」(東京国立博物館所蔵)の高品位複製を、7月1日(水)より、三越伊勢丹で販売開始する。

本複製は東京国立博物館監修のもと、国宝「洛中洛外図屛風(舟木本)」(同館所蔵)に描かれた、景観の奥行き感や華やかさといった作品の持つ本来の美しさを表現している。特徴は、金箔の輝きと繊細な日本美術の手法を再現していること。洋金箔用紙に密着性の高いインクを使用し岩絵具等で描かれた絵柄を印刷。さらに、印刷技術を応用した表面加工により、これまで印刷技法だけでは実現できなかった、和紙、金箔、金泥など日本の文化財に特徴的なさまざまな質感を再現している。

また、22億画素という高精細なデジタルアーカイブデータと精確なカラーマネージメントで、緻密な描写や色調を忠実に再現。人々の表情や絵柄の華やかな模様の細部まで表現することができた。日本の伝統の技が随所に活かされている屏風の木枠や裏地、金具、留め具など細部までこだわり、職人が昔ながらの伝統技法で仕上げることで風格をそなえている。本体価格1,000万円 (税抜)。

なお、本複製は限定10点とし、売り上げの一部は東京国立博物館の文化財保護・普及・研究活動に役立てられる。同社では、今後もさまざまな国宝や重要文化財を中心に高品位複製の制作に取り組み、貴重な作品を身近に楽しむ、新しい鑑賞体験機会の創出を促進する。