2020年03月26日 17:45

OKIは、話者自身の音声からリアルタイムに生成したマスキング音を用いて会話内容の漏洩を防止する、スピーチプライバシー技術を開発した。

銀行などの相談ブースでは、高額な取引や重要な説明が行われ、個人情報(名前、住所、電話番号など)がやり取りされることが多い。近年、プライバシー保護への関心が高まり、こうした情報を他人に知られたくないという意識が強くなっているが、パーテーションで区切られただけのブース、あるいは上部に吹き抜けや隙間があるブースでは、会話内容が周りに聞こえてしまうなどの課題がある。

今回開発したOKIのスピーチプライバシー技術は、話している話者の音声から、その場でリアルタイムにマスキング音を生成することが特徴。話者自身の音声を使用することで、従来法よりも効果的に話者の音声を秘匿できるマスキング音を生成することができる。実際に10名の被験者による主観評価実験で、従来法との比較を行った結果、同じ音量でもOKI方式を用いることでマスキング効果が35%以上向上することを確認した。さらに、マスキング音を5dB(2倍弱)大きくすることで、聴き取りにくさ100%(被験者全員が聴き取りにくいと回答)を達成した。

本技術により、銀行の相談ブースや薬局の受付カウンターなど、さまざまなシーンで周囲を気にせず、快適に会話や相談ができる音環境を実現する。今後、相談ブースなどを設置している顧客と実証実験による実用化検討を行い、2021年度の商品化を目指す。