2016年06月03日 15:41

国境なき医師団(MSF)は、トルコと欧州連合に対し、「イスラム国」の前線とトルコ国境の間で身動きが取れない状態に陥っているシリア北部・アザーズ郡の推定10万人に、国境を開放するよう要請した。

MSFは、ヨーロッパは倫理的・法的な義務に従い、紛争を逃れてくる人びとに庇護を約束しなければならないと主張。身動きの取れない状態に置かれた民間人は、わずか25km2という狭い場所に追い込まれ、5kmと離れていない場所に「イスラム国」の危険な前線が迫っている。一方では、クルド人支配下にあるアフリーン地区とトルコ国境があり、国境は急患以外には閉ざされている。

MSFで中東地域のオペレーション・ディレクターを務めるパブロ・マルコ氏は、「EUは難民の渡欧を防ぐ方法に固執する替わりに、トルコと連携してシリア難民を対象とした難民審査を加速すべきだ」と語った。